水月

story

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梅雨明け、蒸し暑い昼下がりに『僕』は目覚めた。 記憶喪失――何もかもを失って。
混乱、そしてすがる過去がない事の恐怖。 闇夜に怯え、震える『僕』を救ってくれたのは、
自分のメイドを名乗る少女、琴乃宮雪。 そして友人たち――宮代花梨、新城和泉、大和庄一。
優しい人たちに囲まれて『記憶喪失の自分』の新しい生活が始まった。
それは、どこかぎこちなくも優しい時間。 『僕』はそんな時間に幸せなものすら見出し始める。

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けれども、目覚めたその日から続く悪夢だけは変わることなく『僕』を苦しめ続けた。
夢の中には少女がいた。 色素の欠けた白い肌と赤みがかった瞳。
そして、闇夜を呑み込んで、なお黒光りする髪。 数週間後の七夕の晩、『僕』が出会う美しい人。

牧野那波――

それが、毎夜のように『僕』が射抜き殺し続ける少女の名前だった。

牧野那波

牧野那波

主人公のクラスメート。 長く美しい黒髪、真っ白な肌が印象的な美少女。
線が細く、見た目の印象通りやや体が弱い。また、視力を失っている――が、
それを感じさせな いような行動ばかりを取るため周囲の人間から不思議がられている。
加えて、夢に現れる少女と酷似している事、すべてを見通したような不可思議な言動を操る事、
妙に好意的な態度を取る事などが重なり、記憶喪失の主人公を大いに混乱させてくれる。

琴乃宮雪

琴乃宮雪

(自称)主人公専属のメイドさん。住み込みで働いていて、家族同然の存在であるにもかかわらず、
本人はメイドである事にこだわりを持っている妙な子。そんな彼女に主人公も最初は戸惑うのだが――
美人、性格良し、仕事は完璧、と頼りになるため、結局、主人公も彼女に甘えてしまい、
暗黙のうちにメイドとしての立場を確立してしまう。余裕ある大人の女性といった風だが、
主人公への一途さゆえか、妙に意固地になったりすることも…。

宮代花梨

宮代花梨

主人公の幼なじみ。また、新城和泉の大親友。良く言えばおおらか、悪く言えばがさつな性格。
勉強は苦手、運動は得意とわかりやすい子で、特に昔から主人公と共に続けてきた弓道が得意。
主人公とのつき合いは現在も深く、クラスも部活も一緒で、その兼ね合いから行き帰りも一緒と、
家の外ではほとんど一緒にいる感がある。そんなふたりは、いわゆるツーカーの仲――だったのだが…
主人公が記憶喪失になった事で歯車が狂い、二人の間には今までにない戸惑いが生じている。

新城和泉

新城和泉

主人公、花梨の共通の親友でクラスメート。特に花梨とは頭に『大』がつくほどの親友。
どこを取っても花梨とはまるで正反対の女の子で、 運動音痴で勉強が大得意。
性格はのんびりおっとり。にこにこの笑顔で周囲をなごませてくれる。常識人で気の優しい子なので、
妙な子に囲まれた主人公にとって、ある種の拠り所なのだが――少しばかりのんびりし過ぎているのか、
和泉も走れば石につまずく、と言わしめるほどにドジ。そのため、あまり頼りにはならない…。

香坂アリス・マリア

香坂アリス・マリア

近所の教会に住む双子の姉妹。仲のいい姉妹だが中身は正反対。姉のアリスは大人っぽくキツイ性格。
妹のマリアは子供っぽい優しい性格。理知的かつ厳しい物言いのアリスがペースを握っているように見えるが、
実のところ最後には、マリアが「おねえちゃぁぁん」とベソをかき、
仕方なくアリスが折れて話がまとまるというパターンが多い。主人公と二人のやりとりがその典型で、
大抵、悪態をつくアリス、笑顔のマリア、板挟みに遭う主人公という具合になってしまう。

system

SYSTEM

水月ではストーリーを純粋に楽しんでいただくため、余計なフレームが入らないシンプルな画面構成になっています。
文章の表示は、ユーザの好みによって選べるタイプを採用。
「縦組み」「横組み」を自由に選択する事ができます。
また、ストーリーが進展していくと文字色の違った単語が表示されることがあります。
これは、対象となる単語をクリックする事で、用語説明を見ることが出来る『キーワードセレクト』という機能です。

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キーワードセレクトで単語を選ぶことによって物語が分岐する場合もありますので、
状況に応じて意図的に選択していく事も必要です。
他にも、文字をみやすくする画面の明度調整やサイズの違うバストアップによる
会話中の微妙な距離感の表現など、様々な演出に挑戦してみました。
F&C・FC01流ノベルアドベンチャーゲームをご堪能ください。

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