物 語 ものがたり
田舎から転入してきた青樹は、ある日の学校帰りに友人と 遊んでいるときに忘れ物をしたことを思い出す。見た目の ゴツさとは違い、元来小心者の青樹は夜の学校を怖いと思 いながら、急いで教室まで取りに行く。そして帰ろうとし たところで、廊下に怪しい音を聞く。それは転入当時に聞 いた『夜中に、何かを嘗める音が聞こえ、それを聞くと死 ぬ』という怪談。恐怖で尿意も催した青樹は、トイレに駆 け込む。するとそこには男子便器を前に座り、あまつさえ 人とは比べられない程の長さで舐めている、クラスメート のこころの姿だった。そしてこころは自分が『垢嘗め』と いう妖怪で、黙っていてもらう為に襲う……そこへ、他に 誰もいないと思っていたトイレの個室の中から、煩いと怒 鳴って出てきた華もまた、自分を『トイレの花子さん』と 明かすのだった……